交通費を自己負担すれば、法令上の最低賃金が下回る可能性のある求人を見つけました。国立国会図書館で勤務する派遣社員募集の求人です。国会図書館の直接雇用ではなく、フエルアルバムや製本業で有名なナカバヤシ株式会社グループ企業のウーマンスタッフ株式会社という人材派遣会社の求人です。まずは、求人の内容を見て下さい(一部省略しています)※募集と掲載は終了しています。掲載時の内容を再現しています。
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永田町図書館スタッフ募集
●主な業務内容
利用者端末機(OPAC)操作案内、利用者対応など
●応募資格
・コミュニケーションスキルをお持ちの方 ※図書館での利用者案内経験がある方歓迎
・PC基本操作 文字入力:ブラインドタッチが可能な方
●勤務時間、曜日
平日9:00~19:00の内、実働5~7h程度 土曜日:9:00~16:00の内、実働4~5h程度
・時給900円 (交通費往復400円/日額支給)
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時給は司書資格や語学力等を要求していないので、妥当な相場かと思います。着目したのは、交通費です。1日当り往復400円まで支給とあります。と言うことは、片道200円・・・。都心の求人で、この交通費はありえないでしょう。多くの人は、1日400円で交通費が足りるとは思いませんので、自己負担は必然となります。そうなると、時給から引く形として自己負担になるので、最低賃金以下になるケースもあり得ます。間接的には違法と言えます。
こういう受託案件は、相当な低価格で落札した結果か企業のピンハネのどちらかです。交通費は、せめて1000円位は必要です。もう少し企業努力できないのでしょうか。これでは、ビジネスとして体裁を成しているといえません。
国会図書館は、この業務以外に検索端末操作のサポート、フロア案内、カウンター、コピーサービスなども派遣か委託で対応しています。おそらく同レベルの待遇でしょう。日本の代表図書館でもある天下の国会図書館が、ワーキングプアの温床になっていることが一部垣間見えます。国会図書館の足元は、こうした人たちによって支えられているのです。