東京都足立区の公共図書館の指定管理者は、図書館運営のノウハウなど全くない、機会部品販売業、自動車販売整備業、スイミングクラブ運営といった、他業種企業が受託しているという奇妙なことが起きている。しかも、過去に社員から不当解雇を巡る問題で訴訟敗訴したブラック企業が、指定管理業者に再選定されている。もはや、足立区の指定管理者制度は、機能不全を起こしている。
▼2015年3月13日の東京新聞に、以下の記事が掲載されていました。
【一方的雇い止めに無効判決】
足立区立竹の塚図書館元副館長の女性司書(52)が、不当な雇い止めにあったとして、株式会社トミテック(金属加工業)を訴えた訴訟で、東京地裁の12日の判決は、未払い賃金の支払いを業者に求めるとともに、女性の労働上の地位を認めた。
判決などによると、2011年8月、女性が勤務していた竹の塚図書館では、約2万冊の蔵書に磁気テープを張る新たな作業が課された。賃金は1冊当たり7円で、時給に換算すると約800円の最低賃金を下回り、最低賃金法に違反すると判断し、館長に問題を指摘した。2012年1月、業者は女性に雇い止めを通知した。業者側は、雇い止めの理由として「ルールが守れない、協調性がないなど業務遂行能力が十分でない」などと女性の問題を列挙した。女性側は「雇い止めは、最低賃金法違反に抗議したことに対する報復」などと反発。区の公益通報(内部告発)窓口に通報した上、2011年8月に提訴した
公益通報を調査する監察員が12年6月に出した報告書では、雇い止めについて「(通報者の解雇無効を定めた)公益通報者保護法に違反している可能性が高い」と指摘。業者は「報復という事実は存在せず、公益通報者保護法違反はあり得ない」と強く反発している。報告書を受け、区は4月以降の新しい指定管理者選びで、この業者を対象から外した。女性は、区立図書館を運営する指定管理者の多くが、被告の業者をはじめ、異分野の企業であると指摘し、「図書館業務に精通した会社に任せるという考えをもってほしい」と述べた。【情報源: 東京新聞・2015年3月13日朝刊】
これは、委託業務を受託した業者が、図書館のノウハウを持たずに受託し現場に丸投げ。そして、現場での問題点を汲みとり、改善するなどの調整ができなかった結果だと言えるでしょう。元副館長の方がおっしゃる通り、図書館業務に精通した会社に任せないと、同様の事態が、どこでも起こりえると考えるべきでしょう。そして、現在の足立区の図書館委託の指定管理業者をみると、驚きの実態が見えてきます。
◆指定管理者(2015年4月1日~2020年3月31日までの5年間、さらに、2020年4月1日~2021年3月31日まで延長)【情報源:足立区ホームページより】
○佐野図書館、新田コミュニティー図書館、伊興図書館
株式会社グランディオサービス(機器・部品販売)
※2009年、足立区立花畑図書館館長の不当解雇を巡る問題で訴えられ敗訴した経緯あり。
○江北図書館、興本図書館
株式会社ティー・エム・エンタープライズ(スイミングクラブ・フィットネスクラブ運営)
まさに、異業種のオンパレード。機器・部品販売業、自動車販売・整備業、スイミングクラブ運営の会社が図書館運営???。地元の企業ばかりだが、議員や役人と癒着でもあるのかね。こんな、ノウハウがあるはずもない会社を指定管理者として採用する足立区は、愚行自治体である。働く側からすれば、こんな図書館に応募しないことが最大の防御である。周辺の区にも図書館なんて沢山あるわけだから、どうしても図書館で働きたいなら、そちらを目指すべき。
この記事へのコメント
足立区中央図書館を訪ねたのですが、
え、うそでしょ、
おい、空調故障?
図書館内の空気 湿気凄かったのなんの…
他の区の図書館、こんなこと無かったです。
節電わかるけど、図書館は例外だろうが。
以後足立区の公立図書館には足入れていません。
だいしんと
口約束し騙すのもあたりまえ、、、
そりゃまともな仕事しませんよ従業員は