昨今、図書館業務の中に委託を取り入れていない図書館は少数となり、大なり小なり何らの業務が民間に委託されている。主な委託業務として、カウンターでの閲覧業務(貸出や返却)、複写サービスや相互貸借のILL業務、装備業務、目録整理業務などがある。非正規ですら直接雇用が減少し、図書館で働くには受託する民間会社に所属して、契約先の図書館へ委託(請負)や派遣として勤務する形態が主流になっている。だが、多くの問題点や現状に翻弄されることが多い。
簡単ではあるが、自身の経験や知人から聞いた実際の問題点を端的にまとめてみた。受託会社で働こうと考えている方は、それなりの覚悟をした上で応募してもらいたい。書いていることは、全ての会社に当てはまる事ではないが、多くの会社に当てはまる事である。
◎仕事の継続性が不安定 : キャリアを積むことが困難
委託や派遣は契約期間が決まっているため、その期間だけ従事することになる。よって、従事する者が長期的に幅広く業務経験を積むことは困難なのが実情だ。その先の未来に見えるものは、はっきりしたものがなく、契約が満了すれば同業他社に転職して同じことを繰り返す者が多く、悪循環に陥ることになる。再契約でき、長期に渡って仕事ができる恵まれたケースもあれば、更新されずに1回限りで契約満了になる不運なケースなど様々だ。会社や個人の業績が高く評価されても、図書館側の都合や入札競争で他社に敗れれば、水の泡なのである。会社側も優秀な人材の安定した固定化ができないのである。
委託や派遣は契約期間が決まっているため、その期間だけ従事することになる。よって、従事する者が長期的に幅広く業務経験を積むことは困難なのが実情だ。その先の未来に見えるものは、はっきりしたものがなく、契約が満了すれば同業他社に転職して同じことを繰り返す者が多く、悪循環に陥ることになる。再契約でき、長期に渡って仕事ができる恵まれたケースもあれば、更新されずに1回限りで契約満了になる不運なケースなど様々だ。会社や個人の業績が高く評価されても、図書館側の都合や入札競争で他社に敗れれば、水の泡なのである。会社側も優秀な人材の安定した固定化ができないのである。
◎閲覧業務ばかりになってしまった
様々な業務を横断的に従事するケースはあまりなく、決まったカテゴリーの仕事を仕様書の枠内に沿って、ひたすらこなしていくのがメインである。近年は、閲覧業務しか求人が見当たらない印象を受ける。閲覧業務においては、貸出・返却処理と書架整理、利用者対応の繰り返しなので、ルーティンワークの典型と言える。誤解を恐れずに言えば、貸出返却、書架整理しかできないのであれば、他者との差別化にはならないし、職務経験として評価されにくい。選書と発注、高度なレファレンス、目録作成や分類付与、システム管理などの知識や経験が必要な業務に就くことは、図書館の正規職員か限られた経験者しか機会がない。
様々な業務を横断的に従事するケースはあまりなく、決まったカテゴリーの仕事を仕様書の枠内に沿って、ひたすらこなしていくのがメインである。近年は、閲覧業務しか求人が見当たらない印象を受ける。閲覧業務においては、貸出・返却処理と書架整理、利用者対応の繰り返しなので、ルーティンワークの典型と言える。誤解を恐れずに言えば、貸出返却、書架整理しかできないのであれば、他者との差別化にはならないし、職務経験として評価されにくい。選書と発注、高度なレファレンス、目録作成や分類付与、システム管理などの知識や経験が必要な業務に就くことは、図書館の正規職員か限られた経験者しか機会がない。
◎ノウハウもなく、見切り発信で図書館業界に参入し、中途半端なビジョンと運営しかできていない会社もある
・現場に丸投げし、スタッフに責任ばかりを押し付ける。
・権限のある本部の責任者や現場担当の営業が無知であり、マネジメント能力が低い。
・経験者の寄せ集めで成り立っていて、会社そのものに知識やノウハウがない。
・マニュアルやテキストだけの中身のない社員教育と研修で済ませている。それすらしない怠慢な会社もある。
・人手が足りないが未経験者は採用しない。つまり、経験者募集だけに依存することで初期教育を省略し、切り抜けている。
・現場に丸投げし、スタッフに責任ばかりを押し付ける。
・権限のある本部の責任者や現場担当の営業が無知であり、マネジメント能力が低い。
・経験者の寄せ集めで成り立っていて、会社そのものに知識やノウハウがない。
・マニュアルやテキストだけの中身のない社員教育と研修で済ませている。それすらしない怠慢な会社もある。
・人手が足りないが未経験者は採用しない。つまり、経験者募集だけに依存することで初期教育を省略し、切り抜けている。
【最後に】
以前、委託案件の業務管理を担当した際、お子様がやる「おままごと」レベルの運営しかできない会社があった。図書館業界では、直営か委託かの議論が絶えないが、それ以前の問題として、業務受託する民間企業が、本当に図書館業界に参入できるだけの質があるのかを見極める必要があると思う。
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