図書館流通センター(TRC),丸善,紀伊国屋書店,日本アスペクトコア, キャリアパワー, ナカバヤシ, ウーマンスタッフの評判◆図書館委託業務・業者の実態 1

 当ブログには、図書館委託業務を受託(請負)している民間会社の情報を求めるキーワードアクセスが増加しています。そこで、図書館求人サイト「図書館ジョブ」と「Indeed」に掲載される会社情報を知っている限りお伝えします。今回紹介する会社は、求人の約9割以上を占める主要企業です。情報は、私が知っているものと知人からのものを元に記載しております。

 まず、始めに結論だけ言ってしまうと、これらの民間受託業者は本物のノウハウや運営マネジメントを持っていません。自前で一から人材を育成することなどせず、安い人件費で経験者を採用し金と手間を省いています。そして、現場へ送り込むだけで放置状態。時折、知識のない営業担当が挨拶に来る程度です。ひいては、現場と会社に摩擦や亀裂が生じることも珍しくありません。

 人材を右から左に流すだけで委託や指定管理の手数料を得ている虚業ビジネスです。ホームページには、それなりの運営内容にについて書かれていますが、実際の実情とはかけ離れた誇大表現が目立ちます。現状を知っている人間が見たら、ウソを書いていることがバレバレで失笑してしまうような無駄な演出をしていることに、見ているこちらとしても非常に痛々しく感じます。こうした背景があることを前提でお読みください。

【図書館流通センター(TRC)】
言わずと知れた図書館支援の最大手企業で、大日本印刷グループの傘下にある。書籍の納品、装備、書誌データ(TRC MARC)作成、図書館運営などを手掛けている。また、丸善雄松堂と共同移転方式による経営統合で、「丸善CHIホールディングス」という親会社を設立した。

公共図書館の委託、指定管理者、PFIなどの受託では圧倒的なシェアを誇り、全国展開している。2016年4月に受託している公共図書館の数が全国の約15%に及ぶことを発表した。受託業務は閲覧業務が圧倒的に多く、目録や装備などの整理業務は少ない。また、大学図書館の受託も極めて少ない。研修制度は、しっかりしたシステムを構築しており、右に出る他社はない。

給料はシビア(ケチ)でガメツイ。業界一の受託数で、それなりの利益もあるはずだが、懐が狭いためか労働者へ還元されていない。つまり、労働者にとって優しくない会社である。司書資格の有無による時給差額も30円程度しかなく、責任者やリーダーといった立場であっても低い給料である。コスパが徹底しており、地域最低時給レベルまで下げた雑巾を絞り切るような徹底振りである。それなりの経験者が応募するには割に合わない。図書館勤務経験がない、初心者向けの会社である。とりあえず、現場の様子や雰囲気を知るためにも、実験的(テスト的)に応募してみる方がいいかもしれない。

◎主な契約実績: 全国の公共図書館、首都圏の一部公立小中学校の学校図書館、拓殖大、NHK放送技術研究所

【丸善雄松堂】
大学図書館の受託が多く、ほぼ私立大学である。わずかに公共図書館の受託もある。受託業務は閲覧業務が中心で目録業務は少ない。時給も生活できるレベルには到達しない低水準である。交通費支給上限がシビアで、勤務地が遠方の場合、自己負担が生じる。交通費を全額出すなら時給を下げるか、上限設定をするセコイ手法を使うらしい。

業績が極めて悪く、2011年に正社員180名の希望退職者を募集する大リストラを断行した。大日本印刷グループの傘下企業になったことで、かろうじて生き残り、TRCと共同移転方式による経営統合で、「丸善CHIホールディングス」という親会社を設立した。ここ数年、業績低迷のため正社員の新卒採用が行われていない。現場責任者でも契約社員の身分であり、月給制で手取り17~18万円のボーナス・退職金なし。アルバイト、パートから契約社員へも昇格試験を課すのでバカバカしい話だ。

2013年3月、受託したくせに期限まで人材を集められなかった、国立新美術館図書室の受託契約破棄は大問題となった。その際、ペナルティーとして、納品契約がある国立大学と4ヶ月間取引停止という行政処分を受けた。大手書店としての歴史はあるが、図書館運営を円滑に行えるマネジメント能力はない。公共図書館より大学図書館で働きたい人向けの求人が多いが、会社として問題点が多いと思う。

◎主な契約実績: 明治大、青山学院大、國學院大學、玉川大学、東京電機大、東京農業大、日本女子大、大東文化大、獨協大、二松学舎大、東京都市大、東京経済大、麗沢大、創価大、神奈川大、千葉工業大、和洋女子大、千葉商科大、明治薬科大、流通経済大、北里大(相模原)、帝京平成大(池袋・中野)、清泉女子大、桐朋学園短大(調布)、杉野服飾大、法政大学、専修大、神田外語大、名城大、愛知工業大、岐阜聖徳大、帝塚山大、京都薬科大、京都造形芸術大、京都文教大、大阪経済大、大阪大谷大、大手前大、桃山学院大、兵庫県立大、神戸学院大、神戸親和女子大、ジェトロビジネスライブラリー、新国立劇場、静嘉堂文庫美術館、労働政策研究研修機構

【紀伊国屋書店】・【日本アスペクトコア】
紀伊国屋書店と日本アスペクトコアは提携関係を持っている。紀伊國屋書店が単独契約するタイプと入札・契約を紀伊國屋書店が行い、採用と現場業務を日本アスペクトコアが担当するタイプがある。受託業務は、閲覧、ILL、受入、目録など多岐に渡り、他社に比べ幅い印象がある。

紀伊國屋書店の雇用に関しては、最長4年契約で交通費は1日あたり1000円とお寒い。責任者(リーダー)の求人は待遇が悪いものが多く、時給が基本になっている。全国展開しているので、都市部だけでなく、地方都市でも比較的求人はある。

図書館部門の話ではないが、気になる点として新宿南口店閉店の件がある。都心部の大型店ですら業績が上がらない状況だと、会社自体の経営が、かなり危機的状態だと推測できる。応募をする場合は、会社の経営環境が厳しいことを認識し、相当なリスクを背負う覚悟がいる。採用されても、数年後の自分の身の振り方を考えておくべき。

アスペクトコアの雇用に関しては、勤務態度良好で図書館との契約が続けば、期限なく契約更新できる。交通費は全額支給してくれるケースが多い。ただ、各方面からの情報によると、契約時に聞かされていない業務をさせられたり、現場で起こる問題やトラブルに対し、営業担当者からのサポートがなく丸投げといった事例を複数聞かされ、評判は悪い。また、全面委託や広範囲に業務を受託している大学図書館は、激務で負担が多いそうだ。それで、時給1000円を超える程度。全面委託の図書館求人への応募は辞めるべき。

◎[紀伊國屋書店]の契約実績: 首都圏の一部公共図書館、学習院大、学習院女子大、跡見学園女子大、大正大、東京理科大、芝浦工大、星薬科大学、津田塾大学総合政策学部(千駄ヶ谷)、実践女子大、多摩美術大、武蔵野大、武蔵野募術大、東京家政大、東京家政学院大、東洋英和女学院大、江戸川大学、目白大、桐朋音楽大、上野学園大、愛知淑徳大、同志社大、関西大、武庫川女子大

◎[アスペクトコア]の契約実績: 青山学院大、東洋英和女学院大、白百合女子大、昭和女子大、法政大、日本体育大、国士館大、自治大学校、神奈川工科大、横浜市立大、武蔵野大、武蔵野美術大、埼玉県立大、淑徳大、城西大、女子栄養大、江戸川大、TBSビジョン映像ライブラリー、理化学研究所、東京国立博物館、国立情報学研究所

【キャリアパワー】
近年、急速に受託数を獲得している会社である。その多くは私立大学の閲覧業務だ。本社が京都にあり、関西の私立大学図書館の受託が多いが、関東の私立大学も多く受託している。委託と派遣の求人が混在しているので、違いを確認しておく必要がある。

求人サイト「図書館ジョブ」に掲載されている求人広告の募集文句を見ればわかるが、チャラいものばかりでバカっぽい。会社の良識を疑ってしまう。また、時給が900円~1000円程度でも、正職員並の激務をする内容の求人も散見されるので要注意。

過去にライブラリーコンシェルジュという、会社独自の目録認定研修があったみたいだが、ホームページの紹介では、2010年以来、6年間も更新されていない。会社としての研修機能が働いていない証拠と見てとれる。つまり、研修ノウハウがないか、やる気がないと見てよいだろう。

◎主な契約実績: 東京外国語大、東京学芸大、政策研究大学院大(六本木)、慶應義塾大、早稲田大、学習院大、中央大、明治学院大、成城大学、日本大(薬学部)、東洋大、立正大(五反田)、聖路加看護大、東京未来大、工学院大、神奈川大、関東学院大、国士舘大、和光大、桜美林大、文京学院大、昭和女子大、相模女子大、日本赤十字看護大、産業能率大、女子美術大、北里大(相模原)、愛知学院大、愛知淑徳大、南山大、中京大、京都大、京都市立芸術大、京都産業大、京都橘大、立命館大、龍谷大、同志社大、関西大、大阪工業大、大阪成蹊大

【ナカバヤシ】・【ウーマンスタッフ】
ナカバヤシは、製本とアルバム販売を主力とする、業界最大手の老舗企業。2009年に派遣会社のウーマンスタッフを買収し、子会社とした。入札や契約はナカバヤシが行い、現場で勤務するスタッフは、ウーマンスタッフが募集・採用して管理する。ウーマンスタッフの派遣社員として採用され、ナカバヤシに派遣される形態で契約し、実際の勤務先は、ナカバヤシが契約している図書館となる。一見、違法な二重派遣にも見えるが、グレーゾーンで上手く逃れているようだ。ただ、委託元が、こうした雇用契約でスタッフを雇用している事が問題であると判断することも考えられる。

図書館業務の受託開始は、2000年代前半と歴史が浅い。当時は、大学図書館総合目録(NACSIS-CAT)のデタラメな書誌データを作成しまくり、悪評が高かった会社である。近年の求人を見ると、東京都と埼玉県の公共図書館や国立大学の夜間カウンター業務が多い。本社が大阪にあるので、関西の求人もある。また、目録や装備の求人も時々ある。他社が好んで受託しない、利益が薄い上、人材が集まりにくいとされる、夜間カウンター業務に活路を見出しているように見えるが、時給は学生のアルバイトレベルで、扶養内の主婦ですら応募して来なさそうな求人ばかりである。更に900円以下の低時給で交通費込という、法律上の最低時給以下になる求人が散見される。

改正労働者派遣法の施行で、同一派遣先での勤務は3年が限度となる。こうした、中小零細派遣会社は、別の派遣先を用意できるだけの契約数はない。結論を言うと、不可解な雇用契約方法、低時給、3年後の契約更新など、不安材料が多い。色々な意味で、タチが悪い曲者業者。応募は辞めた方が良いと思う。

◎主な契約実績: 埼玉県の公共図書館、東京東部の都立高校、国立国会図書館、東京大、東京工業大、東京外国語大、埼玉大、放送大、首都大学東京、聖心女子大、法政大、北里大(白金)、文京学院大、帝京大(板橋)、東邦大、東京医科大、新渡戸文化短大、川村学園女子大(目白)、国立歴史民俗博物館


以上の業者の求人は、いつまで続くか分からない雇用形態と毎月の生活を回すことで精一杯の収入に危機感を感じるものばかりです。会社の規模も中小零細企業で経営状況が思わしくないため、正社員ですら将来が不安になります。将来の目標が明確で、それまでの繋ぎとして勤務するなら構いませんが、他に行く当てもなく、何となく応募し、惰性でダラダラと年齢を重ねることは避けるようにしてください。

※これらの情報は、2017年2月13日現在のものです。今後、状況が変わることもありますので、常に会社のHP等で最新情報を収集してください。主な契約先は、現在と過去に契約していたものが混在しています。

▼後編に続きます


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