市長や議員が指定管理者制度や委託を推し進める裏事情

3月21日(日)に、全国で3番目となるCCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)運営のツタヤ図書館が、宮城県多賀城市立図書館としてオープンしました。武雄市立図書館や海老名市立図書館での問題点を改善し、分類や商業エリアの配置などを考慮した造りになっているそうです。こうした指定管理者制度や委託制度といった、外部の民間業者に運営を任せる公共図書館が年々増加していることは、既にご存じの事だと思います。また、大学図書館も例外なく、委託制度を導入することが当たり前になっています。受託する民間業者のことは、これまで当ブログでも散々書いてきましたが、今回は指定管理や委託が進む背景について書いてみたいと思います。

○市長や議員が独断で決めて進めるケースが多い
こうした話しの発端は、市長や議員が発案して進めて行くことが非常に多く、現場の司書や役所の事務官が発案する事は、ほとんどありません。公共事業や政策を発案することは、市長や議員の仕事の一つでありますから、何ら否定することはありません。しかし、物事には表の事情と裏の事情があるわけで、背景には、選挙の票集め、業者や有権者との癒着といった、きな臭い事情もあるのです。建前では住民のためだと理論的なことを言っていても、裏では、私利私欲な政策ではないかと疑いたくなる事例もあります。

○パブリックコメント(市民意見募集)で住民の意見を聞かないし、業者の事もきちんと調査していない
発案すること事態は問題ありませんが、本来は現場職員や住民の意見も十分に聞き、それらを統合しながら調整して結論を出すのが筋でしょう。ところが、ツタヤを採用した自治体の長は、独断で話を進めてしまっていますし、他の自治体で民間委託を採用する際も、多くは似たり寄ったりな状況です。これまでのツタヤの運営手腕やサービスに一目惚れして、図書館運営ができる本当の実力があるのかを精査せずに決めてしまったから、いろいろと問題が起こるのです。

○業者や館長の選定は出来レースになっている。公募すら行わないケースもある。
業者を決める際も、委託館の館長を決める際も、公平な競争や審査をせずに決めることも多いのです。形式的には入札や審査(書類、プレゼン)を実施していても、予め業者を選定していたり、地元の企業や自治体が株式を保有する企業を優先することも、裏では当たり前のように行われている自治体があります。公募すら行わなず、自治体が出資している会社を指名するケースすらあるのです。また、委託館の館長も、本来は受託する業者が採用することがルールなのに、自治体が推薦して業者に紹介するケースが行われています。これは、まずいでしょ。

○条例で例外規定をつくる裏ワザ
指名したい特定の業者がある場合、条例の中で例外規定を設けるケースもあります。「公募によるが、次のいずれかに該当する場合はこの限りではない」などと都合の良い例外規定を用意して、「事業の運営実績と継続性があり、市の施策が反映しやすい場合」「合理的な理由がある場合」「時間的な余裕がない場合」などの項目を設けます。

○市長や議員は襟を正して、公正公平な対応と判断をするべき
特別職の公務員が、民意を無視して独断で物事を進めることは、悪意以外の何物でもありません。意見を聞く時点で、既に話の骨格が出来上がってしまっているのは駄目なのです。市長や議員の好みや私利私欲のために、権限を乱用して公共事業や政策を進めることは、許されるべき事ではないのです。

▼ジャーナリスト・日向咲嗣氏の多賀城市立図書館に関する記事が参考になります(Bisiness Journal 2016.2.6)

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