民間委託図書館の人手不足・司書求人サイトから見える、人材が集まらない不人気ぶり

最近は、多くの業界で人手不足という言葉を耳にします。人手不足が定番となっている小売、外食、配送、宿泊、介護といった不人気業界だけでなく、図書館業界にも少しずつ押し寄せている節があります。

民間業者が受託した図書館司書の求人が掲載されている、図書館ジョブ、Indeed、フロムエー、リクナビ派遣、イーアイデム、タウンワーク、ハローワーク公式などのサイトを定期的に観察していると、人材が集まらない様子が見えてきます。

同じ求人が何ヶ月も募集され続けていたり、決まったかと思えば再掲載されるなどの現象が日常的に起きています。業者側も人材確保に苦労し、切羽詰まっている様子が垣間見えます。図書館が直接雇用する求人なら、まだ買い手市場だと思いますが、民間委託の求人なら、売り手市場と見ていいでしょう。今回は、そうした数多くある人手不足求人のごく一部について記事にしてみました。

●都立高校の学校司書(委託契約)が集まらない模様
さて、4月に入り新年度が始まりましたが、多くが民間委託化されている東京都立高校図書室は、新学期が始まったのに学校司書が確保できていない模様です。事もあろうことか、今頃募集を出し続けていることが求人サイトから判明し、受託したくせに必要な人材を確保できていない怠慢ぶりが丸見えです。きちんと運営されているのか気になるところです。リンクを張っておくので、暇で気が向いたら見てみて下さい。【平成29年6月5日現在】

○秀光株式会社




○ウーマンスタッフ株式会社


○エースシステム株式会社

○光管財株式会社


どこもかしこも、全然人が集まってないじゃないか!もう6月だぞ。大丈夫か?

●長期間掲載されている求人は目録業務が多い
また、1ヶ月以上も求人サイトに掲載され続けている求人も多くあります。特に目録業務が多い傾向があります。背景として考えられるのは、以下のような事情ではないでしょうか。

・仕事の難易度が高い割に給料が見合わない
・仕事をこなせる人材が少ない

一例を挙げると次の様な求人です。

○丸善雄松堂株式会社大学図書館図書・雑誌目録スタッフ【週5日】
・東京都品川区の清泉女子大学図書館の委託業務

仕事内容: 大学図書館での和書・洋書(主に英語・スペイン語)、雑誌の発注、受入、所蔵・書誌登録、装備、配架・入替等、製本雑誌に関する業務、その他図書館業務全般

時給: 1150円

応募資格
・パソコンを使った業務ができる方(excel、word、メール)
・NACSIS-CAT目録整理業務経験のある方
・司書資格者
・NACSIS雑誌業務経験者
・外国語(英語、スペイン語、中国語)に抵抗がない方
・洋図書のNACSIS目録データ作業経験のある方

こうした専門的要素が強い内容なら、時給1400円位は頂きたいところです。現状ですと、永久に応募は来ないはずです。

今回紹介したのは、極々一部です。まだまだ沢山あります。公共図書館受託が多い図書館流通センター(TRC)やヴィアックス、大学図書館受託が多い丸善、紀伊國屋書店、キャリアパワー、日本アスペクトコア、ナカバヤシ/ウーマンスタッフなども、かなりの数の求人募集に人材が集まらず、長期間掲載され続けています。

採用する側は、図書館で働くことを希望する人は、給料よりやりがいを重視している人が多いから、安い給料を提示しても、そこそこ人が集まるだろうという甘い考えがあるはずです。しかし今後は、そうした考えも通用しなくなっていくでしょう。受託しても、人手不足で現場が回らないなら話になりません。今回の件だけでなく、既にそうした現場も多いのではないでしょうか。

他業界も給料を上げる努力をし始めているのですから、図書館業界も追随して頂きたいものです。それができないなら、ビジネスとしては、崩壊していると言えるでしょう。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック