都立高校図書室の委託契約を受託した業者でない、別業者が求人募集する不自然さ◆ナカバヤシとウーマンスタッフがひた隠す疑惑

現在、都立高校図書室運営の多くが業務委託になっている。東京都財務局が毎年3月に入札を行い、委託業者を決定する。今年も複数の業者が委託契約している。契約後、受託した業者は、自らが求人募集をしてスタッフを確保する。これが通常の流れだ。しかし、受託契約した業者とは違う、別の業者が求人募集している不自然な事例が存在する。

具体的には、受託契約した業者とは、ナカバヤシ株式会社であり、求人募集している別の業者とは、派遣会社のウーマンスタッフ株式会社である。ナカバヤシは製本やアルバム販売で有名だが、2003年頃から図書館委託業務にも参入している。また、ウーマンスタッフは、2010年にナカバヤシのグループ企業になり、それ以降、図書館業界に参入している。

今回の都立高校図書室の件では、平成29年3月8日にナカバヤシ株式会社が、東京都内東部11校の都立高校図書室業務を落札し、東京都と委託契約をしている。しかし、実際に求人募集をしているのは、契約者のナカバヤシではなく、ウーマンスタッフなのである。ウーマンスタッフは東京都の入札に参加しておらず、何の契約関係もないはずなのだが・・・。

▼次の情報は、東京都入札情報サービスで調べた落札情報の一部である。

<採用者情報>
・契約部署: 財務局経理部契約第二課
・契約番号 28-01339
・見積日時: 平成29年3月8日 午後1時40分
・見積場所: 都庁第一本庁舎北側4階 第2入札室
・件名: 都立高等学校11校 図書館管理業務委託(東部)(単価契約)
・採用者氏名: ナカバヤシ株式会社
・採用金額 79,508,808円

ナカバヤシが落札した証拠でもある。ところが、ナカバヤシの公式サイトでは求人掲載はなく、契約とは何の関係もない、グループ企業のウーマンスタッフが、自社公式サイトなどで求人募集をしている。

その証拠が以下である(一部省略)。なお、一定期間後、リンクが切れる可能性があります。平成29年7月26日現在のものです。

■江東区・都立高等学校図書館司書 [派遣]
各学校の図書館担当者の方とご相談をしながら、図書館を活用した授業や生徒さんの図書活動のサポートなど、学校教育に携わることができます。
○時給1000円~1200円
○学校図書館業務全般,読書活動業務,学習活動支援,企画展示
○勤務時間 8:25~21:55の内、実働7.5~8h程度
○必須条件
・司書,司書補資格をお持ちの方 
・何らかの図書館経験が多少でもある方


■墨田区・都立高等学校図書館司書[派遣]
※内容は上記とほぼ同じのため省略

■江戸川区・都立高等学校図書館司書[派遣]
※内容は上記とほぼ同じのため省略


求人内容には、ナカバヤシが受託している事に関する記載は一切なく、これでは、ウーマンスタッフが東京都と派遣契約をし、ウーマンスタッフから都立高校へ派遣されるという誤解を与える。実際には、そのような契約関係は存在しないのに、まるでそうであるかのような印象を与える。これはマズイだろう。一切記載がないのは問題であり、何か隠しているようにも見える。しかも、委託契約なのに、スタッフは派遣契約という矛盾がある。

今回のケースが、法律、条例、規約などのルールに抵触するのかは、この場では判断できないが、何かグレーな感じがしないでもない。胡散臭いというか、不自然な感じがする。あくまでも、東京都とナカバヤシとの委託契約関係であり、それに関係のないウーマンスタッフというグループ業者が介入しているのは、東京都にも応募者にも誤解を与える。

しかも、4月から運営が始まり、すでに夏休みだと言うのに、未だに人材が集まっていないのも問題だろう。いかに、人材不足であるかが垣間見える。民間業者に委託すると、こうした、いかがわしい事をするリスクも出てくる。

裏で、このような採用をしている事を東京都が認識しているのかは定かでないが、東京都の担当者は、一度確認した方がよろしいのではないか。また、もし万が一、応募をしようと思っている人がいるなら、疑惑ありの求人なので、控えた方が良いと思う。

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